じいちゃんとすっぽん
- | - | - | otoneko-ms |
先日の夕方のことである。私は夕飯の準備で台所に立っていた。するとじいちゃんがやって来てこう言う。
『川にすっぽんがいる!』
『すっぽん?ふつうの亀じゃろう?』
『いや、あれは顔が違う、すっぽんじゃあ』
『こんなところにすっぽんがいるかなあ?』
実は以前お茶摘みをしていて亀を発見し、連れて帰ったことがあった。そして池に入れていたが、翌日見たら脱走してもういなかった。それとおなじ亀だろうと思っていた私。
『捕ろうか?』
『・・・』
じいちゃんは既に捕獲作戦を練っているようだった。夕飯の準備中だった私は一旦それを中止し、じいちゃんと共に川に行った。
???
どこにいるのか、すっぽんくん!
よくわからない。
『わからんかや?そこそこ、石とおんなじ色をしちょる』
おおおおーー、ほんとに石と同化していた。そしていよいよ捕獲。
素手で捕ろうかなどと言うじいちゃんを説得し、バケツに追い込む作戦を取った。
そして・・
見事捕獲成功!しかしよくわからないね。ならばこれをお見せしよう!
すっぽんくんは、『おいらはすっぽんだぞ!そこいら辺の亀じゃないぜ!!』 と威張っているように見えた。やはり顔が獰猛で普通の亀とは違う。バケツに入れられたのが
気に入らなかったのか、そこから出ようとしている。
『おいおい、まだ出たらだめだよ〜』と棒でつつくと、猫だったらこんな声が聞こえてきそうであった。
『シャー(怒り)』
せっかくなので、母にも見せようと声をかけるとひょこひょこ庭に出てきた。そして案の定私の思った通りの答えが返ってきた。
『こんなもん捕って来て! 川に返しなさい!!』
じいちゃんは秘かに思っていたのである。これをさばいて食べたら滋養がつくかも・・と。しかし、やはり母から反対されたのと、一体これを誰がさばけるのか?という一番の問題に直面し、川に返すことにした。
すごく心残りで残念! という思いがじいちゃんの後ろ姿ににじみ出ている。せっかく捕ったのにね。
そしてすっぽんくんは再び川へ・・・
さようなら〜
という間もなく、すっぽんくんは大急ぎで川の中を泳いでいった。
すっぽんは首がとても長い。そしてスゴいスピードで泳ぐ泳ぐ
また捕まったらえらいこっちゃ、急いで逃げろ〜
猛スピードで泳ぎ、すっぽんくんは岩の隙間に隠れてしまった。この岩が彼のおうちだったのだろうか・・
ほんの短い時間だったが、すっぽんくんのおかげで楽しい時を過ごさせてもらった。ありがとうね♥
後でインターネットで調べたら、天然物のすっぽんはとても貴重らしい。
んまー、だったら川に返さずにどこかに売り飛ばしたら良かったわ!! と強欲なばあさんにすぐになれそうなワタクシなのであった。ふふふ